前回に引き続き、振動解析について、書きたいと思います。

前回も書いたように、振動は乗り物や建物、機械等にとっては付きものの話です。
それぞれ物には固有振動数というものがあり、この振動数と揺れの周波数が近いと共振して、
音が大きくなったり、揺れが大きくなって、壊れたりします。
そのため振動を解析する必要があります。

振動を解析するために、「動的応答解析」という方法を使います。
「動的応答解析」とは非定常荷重(時間とともに変化する荷重)が加わる場合の物体の挙動を調べるもので、地震等の揺れに対して用いられる解析です。
この解析により実際の振動変位が分かるので、揺れをイメージしやすくなります。

(解析例)
・鉄骨を組み合わせたタワー(高さ20m、底辺の一辺1m)
・部材は鉄
・底部を全固定
outoukaiseki1














(解析条件)
・先端の節点1個に荷重を設定(緑矢印)
・0.5secかけて1000(N)の荷重をかけ2secまで維持、2.5secで荷重を0にする
(解析結果)

outoukaiseki2



















   t=0.5secのZ方向変位
 outoukaiseki3







  Z方向変位の時間的変化

・0.5secから2secの間は振動は周期が0.346sec、2.89Hzである。
・荷重が作用すると約1.5mmの変形が生じている。

以上のように、解析により振動の周期や変形量が分かるので、ダンパや防振装置を設置する目安が分かります。