2014年08月

【ソフトエンジニアリングのメルマガ 】(Vol.25)2014年8月31日配信

このメルマガは皆さまに情報提供することが目的です。

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  ①読み物……………………… みんなで考えれば恐くない! アイデアを生み出すブレインストーミング

 ②解析例……………………… 有限要素モデルのチェックの目的と方法

 ③知識・経験からの言葉…… VEValue Engineering

編集後記……………………… 涼しくなりました


①読み物 
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みんなで考えれば恐くない! アイデアを生み出すブレインストーミング

「新しいアイデアを考えなければならない!」という場面は、仕事をしていると多かれ少なかれ誰にでもあると思います。そんな時、どうすれば創造的なアイデアを生み出すことができるのでしょうか? 一人で悶々と考えているうちに突然アイデアが天から降ってくればいいのですが、残念ながら現実はそんなに甘くはありません。ブレインストーミングは、そんな悩みを解決してくれる手法の1つです。「ブレインストーミング」とは集団で自由闊達(かったつ)にアイデアを出し合うことで、お互いの脳(ブレーン)を刺激して、アイデアをさらに誘発していくということが考え方の基本となっています。

  <4つのルール>

   ・批判しない

   ・自由奔放に考える

   ・質よりも量

   ・他の人に便乗する

  <6つのステップ>

14つのルールとテーマをホワイトボードに書く

2)制限時間と目標を伝える

3)アイデアをどんどん発言してもらう

4)アイデアを書き出し、ホワイトボードに張る

5)便乗できるアイデアがないか考える

6)アイデアを整理する

<「オズボーンのチェックリスト」でアイデアをふくらませる>

アイデアを出すとき、発想の切り口(ヒント)を提供するチェックリストを活用する

1. 転用

2. 応用

3. 変更

4. 拡大

5. 縮小

6. 代用

7. 再配列

8. 逆転

9. 結合

(抜粋)
   <みんなで考えれば恐くない! アイデアを生み出すブレインストーミング>より

詳細⇒http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1407/16/news014.html

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1408/20/news019.html

②解析例 
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『有限要素モデルのチェックの目的と方法』

  構造解析の3要素は構造、荷重、拘束です。構造は重量チェックで有限要素モデルで確かめることででき、荷重と拘束は解析によって生じる有限要素モデルの動きをチェックして正確に設定されているかを観察して確かめます。

  〇重量チェック

   目的:・モデルと設計重量を合わせるのは剛性としても質量としても基本

   方法:・材料の密度を入力し重量を算出する

       ・重力加速度解析をして反力の合計が重量となることを確認する

  〇接合性チェック

   目的:・モデルに切れ目がないかどうかの確認

      ・剛体要素を使ったときには接合性を自由度ごとに確認

   方法:・各軸に重力加速度をかけて変形図を確認

      ・変形表示倍率を大きくしてアニメーションで確認

  〇境界条件

   荷重条件

   目的:・自重以外の荷重の総量が合っているかどうかの確認

   方法:・密度なしで解析をして反力の合計を荷重とする

   拘束条件

   目的:・拘束条件に解析対象物の周辺の環境が考慮されているかの確認

   方法:・荷重方向と固定方法によってどの点、辺、面がフリーなのか固定なのか考察


③知識・経験からの言葉 
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VEValue Engineering
    VEValue Engineering)とは、製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかける「コスト」との関係で把握し、 システム化された手順によって「価値」の向上をはかる手法です。
  企画、開発、設計、製造、物流、事務、サービスなどへと適用範囲が広がるとともに、あらゆる業種で活用されるようになり、顧客満足の高い、価値ある新製品の開発、既存製品の改善、業務の改善、さらに小集団活動にも導入され、企業体質の強化と収益力の増強に役立っています。
  VALUE(価値)FUNCTION(機能)COST(コスト)

VEの必要性

経営環境がめまぐるしく変化する今日、企業経営には効率化のみならず絶えざる革新が求められています。 単に安いものをたくさん作る努力だけでは、多様化し高度化した顧客の要求を満たすことはできません。

お手本のない新たな時代に企業が生き残るためには、現状改善型の努力ではなく、現状を打破する革新が必要です。 何をすべきか、どんな働きを果たさねばならないのかを常に見直し、製品やサービスの価値を高めていくその努力を欠かすことはできません。

VEは、まさに価値向上のための技術であり、新たな時代をリードしていく企業にとって欠くことのできない管理技術といえます。 

VEの考え方

VEでは、製品やサービスの果たすべき「機能」をユーザーの立場からとらえて分析し、その達成手段について様々なアイデアを出します。それらのアイデアを組み合わせたり、さらに発展させた上で評価し、最適な方法を選択します。顧客が求める機能を最低のライフサイクル・コストで確実に達成する手段を実現するのです。

すなわち、使用者優先、機能本位で考える。様々なアイデアを生かし現状を打破する。機能とコストの両面から製品やサービスの価値の向上をはかっていくのがVEの考え方です。

VEの範囲

VEの適用分野は、購入資材費の低減にはじまって、製品全体のコスト低減や製品開発段階にも大きな成果をあげています。 現在は、製品ばかりではなく、組立作業や機械加工、梱包や運搬などの製造工程、さらに物流業務への適用も活発に進められています。 また、書類の作成や伝票の発行、事務手続きなど、管理業務、間接業務にも適用できます。

VE活動は製造業だけでなく、サービス業や建設業などでも導入され、会社の利益改善に効果を発揮しています。

このように、コストの発生するものすべてがVEの対象となるのです。

VEの効果

VEは、顧客に対しては、価値の高い製品やサービスで豊かさを提供できます。また、資源の有効活用により社会にも貢献できます。 企業に対しては、そのことによって適切な利益を確保すると共に、豊かなコミュニケーションと組織の活性化、 創造性あふれる企業風土づくりにも役立ちます。VE活動に参画した社員は、個を尊重した創造力の発揮とチーム・デザインによる 目標達成で自己実現ができ、目的志向の思考力が身につくことによって、仕事や生活のあらゆる場面で応用できるようになります。

このようにVEは、上手に活用・展開することによって、コスト低減効果ばかりでなく、顧客、企業、社員の三者に満足をもたらす効果があるのです。

参考図書

『新・VEの基本―価値分析の考え方と実践プロセス』産能大学VE研究グループ著

 編 集 後 記 ━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

8月も終わり、日中も涼しくなりました。今年の夏は雨が多く、蝉の声もあまり聞こえなかったように思えます。日照不足、雨の多さで、農作物の成長不足等、各方面影響がありそうですが、何とか乗り切ってもらいたいと思います。

日中は過ごしやすくなり、活動しやすくなりましたが、皆様はどのようにお過ごしでしょうか。どうか実りのある秋にされてください。
25回目のメルマガを作成しましたが、いかがでしたか?

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

次回の「ソフトエンジニアリングのメルマガ」も宜しくお願いします!

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【ソフトエンジニアリングのメルマガ 】(Vol.24)2014年8月3日配信

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 ①読み物……………………… 製缶構造と板金構造のイイトコドリでコストダウン

 ②解析例……………………… 補強の効果

 ③知識・経験からの言葉…… CADによる断面係数の計算方法

編集後記……………………… もうすぐお盆、精霊流しですね

 

①読み物 ━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

製缶構造と板金構造のイイトコドリでコストダウン

産業機械をコストダウンする手法にVA(価値分析)とVE(価値工学)があります。

製缶構造は、「アングル」「チャンネル」「角パイプ」などを用いて形成します。この構造にすることで、要求仕様もしくはそれ以上の強度となります。

製缶構造の利点は、「剛性を持たせること」です。剛性が必要な個所においては、製缶構造で製作します。それほど要求されない個所については、板金折り曲げ構造にします。そうすることで、NC加工で精度の高い品質を維持することもでき、加工工数や組み込み工数の削減へとつながります。

『製缶構造と板金構造の違い』

製缶構造

・アングル、チャネル、角パイプ等の出来合いの材料を組み合わせて製作する。

・精度を出すために加工者の技能に頼ることが多く、また治工具を要することが多い。

・塗装面は鋳肌がそのまま出る。

板金構造

・アングル、チャネル、角パイプに順ずる形状を曲げ加工にて製作できる。強度で劣る場合、「梁を入れる」、「曲げを追加する」などの構造で強度を賄える。

NC機械の精度、能力を使うことで、品質のバラツキを防ぐことができる。

・塗装面が比較的滑らかで見栄えが良い。

『メリット』

製缶構造

・強度を要する剛性の必要な筐体に合った構造

板金構造

・精度の高い品質が要求される形状に合った構造

・折り曲げを取り入れて立体構造にすることで、剛性を持たせることができる

NCTNCベンダで加工することで、品質を維持しながら加工性を高めることができ、コストダウンへの道が開きやすい

『デメリット』

製缶構造

・複数台生産する場合、互換性のある寸法を維持するための高い技術が必要

板金構造

・強度を要求される場合には不向き

既存の物と同等形状の物を設計するときには、既存の物を参照にするほうが楽、あるいは安心――「右へならえ」方式の考え方が設計現場で多いからではないかと筆者は思っています。それにより、最適設計をおろそかにしてオーバースペック(頑丈になり過ぎ)といった問題が起こり得ます。「強度に見合った形状」を構築する必要があります。

『製缶構造で使用する鋼材の形状』

アングルの特徴 :角の内側にRが付いているため、単なるL型プレートより強度があります。

チャンネルの特徴:内側のRと、上下の板の内側が厚くなっているため、アングルよりも強度が確保できます。ただし、コの字が外に開いているので、寸法精度を出すことが難しい面もあります。

角パイプの特徴 :パイプ状であることと、角がR形状のため、強度は板厚の4倍以上となります。頑丈さを要求される筐体向けです。

『強度UPするため、板金に曲げ加工する』

L型プレートの特徴   :平板から曲げを1つ入れることにより、梁ができ、強度が増します(アングルに相当)。

コの字型プレートの特徴 :L型プレートよりも強度を付けたい場合は、もう1回曲げを入れてコの字型にします。カバー類などに有効です(チャンネルに相当)。

抱き合わせプレートの特徴:コの字型プレート同士を抱き合わせて溶接を行うことにより、角パイプと同等の形状になり、強度を増すことができます(角パイプに相当)。

VEVEの特徴』

•要求仕様に対し、部品やユニットの最適設計を考えます(材質、形状、加工方法、加工工程、表面処理等)

•中ロット、小ロット生産に向いています。

『ティアダウンの特徴』

•要求仕様に対し、現状の部品やユニットの“品質をどれだけ削り落とせるか?”を考えます(公差、形状、材質、表面処理等)。

•大ロット生産に向いています。

2つのポイント』

ポイント1「最適な加工法を選択する」

VA(価値解析)には「この方法でいこう!」といった確固たる定義がないというのが難点であると思います。

「この形状に関しては1つの加工方法しかないという固定観念を持たない」ということです。柔軟な発想で最適加工方法を選択するということを常に考えることが、より良い設計につながっていくのではないでしょうか。

ポイント2「会社の文化が足かせに」

それぞれの会社には長い時間をかけて構築してきた品質があります。これを俗に“会社の文化”といいます。

しかし、この“会社の文化”が足かせとなり、自由な設計を妨げている場合も多くあります。「製缶構造と板金構造の融合」は、その打開案の1つだと考えてもらえればと思います。

(抜粋)

 <
製缶構造と板金構造のイイトコドリでコストダウン>より

詳細⇒http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/0804/25/news167.html


②解析例 
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『補強の効果』

   構造改造に伴う強度劣化対策として、補強を行う場合があります。

机上計算では構造全体の検討になりますが、解析を用いると、補強部位細部の強度等が分かり、より詳しい検討を行うことができます。

構造改造に伴う強度劣化対策の補強に関する解析例は、以下を参照してください。

詳細⇒http://softengineering-n.com/file/hokyounokoukakaisekirei.pdf

③知識・経験からの言葉 
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CADによる断面係数の計算方法

機械や構造物を設計する場合、頑丈かどうかの判断をするための尺度で、「強度」や「剛性」といわれるものさしが用いられています.

この「強度」や「剛性」を調べる為に断面2次モーメント、断面係数等が必要です。

断面係数等は、AutoCADにて計算することができます。

①求める図形を作成、選択し、「作成」-「リージョン」により、図形をリージョン化する。

②「ツール」-「情報」-「リージョン/マスプロパティ」により、断面係数等の情報を調べることができる。

 AutoCADによる断面係数の計算方法は、以下を参照してください。

  詳細⇒http://softengineering-n.com/file/dannmenkeisuukeisannhouhou.pdf


 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

梅雨が明け暑い日が続いていましたが、8月は台風の影響で雨の日が多く、一時期暑さが和らいでいます。

もうすぐお盆、精霊流しがあります。

長崎ではお盆にお墓参りに行き、花火をしますが、お墓で花火をするのは、長崎だけの慣習のようで、他県の人はそういう慣習がなく、お墓で花火をすると聞くとびっくりします。

精霊流しも爆竹等を鳴らしますが、これも長崎特有の行事なのかなと思います。

皆様も長崎特有のよいお盆を迎えられてください。

24
回目のメルマガを作成しましたが、いかがでしたか?

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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