今回は、機械、設備、建築物に携わる人にとっては、避けられない問題の「振動」について、書きたいと思います。
身近なもので言えば、電車や車の揺れ、地震による建物の揺れ、機械、エンジン周りの振動等が挙げられます。
揺れが続くと不快ですよね・・・
機械や建物も振動が続いたり、大きくなると壊れたりしますよね。
この現象を抑え、予防するために、「振動」をモデル化し、このモデルを数学的、コンピュータ的に解く方法が考えられています。
今回は基本的な振動問題を例にして話をしたいと思います。
<防振ゴムを通した理論上の出力振動>
左図はバネと質量とダンパが組み合わされた、防振ゴムの効果を考えるモデルです。
高校の物理等でよく見かけました
運動方程式は重力を無視すると、下記となります。
ここで、mは質量(kg)、kはバネ定数(N/m)、cは減衰係数(Ns/m)、fは質量に加わる外力(N)です。
dy/dt(1階微分)は変位yのt時間的変化、言い換えればy方向の速度、d2y/dt2(2階微分)はdy/dt(1階微分)のt時間的変化、言い換えればy方向の加速度です。
これをコンピュータ的に解くために「離散化」という作業を行います。離散化はアナログをデジタルに変換するときに必ず使う作業です。1階微分、2階微分の離散化の方法は決まってますので、上式の微分方程式は、コンピュータ的に解くことができます。
y方向の変位をコンピュータで解いた結果が次のとおりです。
ダンパ無し ダンパ有
ダンパがある方がy方向の変位が一定になってますよね(揺れが減衰している)。
このように「離散化」とパソコン技術を組み合わせれば、物理モデルの微分方程式や積分方程式などを解いて、現象を明確にしたり、解決方法を考えることができます。