配管設計

今回は配管設計について、書きたいと思います。
身近なところでは、水道水がありますよね。

水道水は皆さんの家へ水道局がダムから配管を通して送られていますよね。
その配管の大きさは、皆さんの家で使いやすい量流れるように設計されていると思います。

配管に流れる水の速度、圧力等は、「ベルヌーイの定理」という原理で計算することができます。
「ベルヌーイの定理」はエネルギー保存則とも言われ、次のような式で表されます。
1/2・v2+p/ρ+g・z=一定
ここで、v:速度、p:
圧力、ρ:密度、g:重力加速度、z:基準からの高さです。

上の式から、高さZが一定の場合、速度vが速くなると、圧力pが下がるということがわかります。
これが速度エネルギーが大きくなると位置エネルギー(圧力)が小さくなるというエネルギー保存を表しています。

また、水や流体には次のような連続の式が成り立ちます。
Q=ρ・A・v=一定
ここで、ρ:密度、A:面積、v:速度
上の式から、面積Aが大きくなると、速度vが小さくなることがわかります。

これら定理・原理から、配管の大きさ(面積)を決めると、速度がわかり、圧力もそれからわかることになります。

このように、配管を設計する場合には、連続の式やベルヌーイの式を用いて設計することになります。


トラス構造とラーメン構造

今回はトラス構造とラーメン構造について書きたいと思います。
トラス構造、ラーメン構造と聞いてピンと来るのは建築関係の仕事をしている方だと思います。

トラス構造
とは、複数の三角形による骨組構造のことであり、結合部である「節点」はボルトやピンなどで結合されています。
トラスの節点は自由度がないため動きませんが、相互に運動できるように結合されているため、部材を曲げようとする力である「曲げモーメント」が隣り合う部材で発生しません。そのため、荷重を加えたときに、部材には引張りまたは圧縮の力だけ働くことになります。
torasu1torasu2














このようなトラスの利点を活かして、橋、タワーなどの建築物、自転車やバイクのフレームなどがトラス構造になっています。

先ほどのトラスは結合部である節点がボルト等で結合されており、自由に回転できましたが、結合部が一体となっている場合を「ラーメン」と呼びます。
ラーメンの結合部は、互いに回転できないため大きな力が加わります。
そして、部材には引っ張り力や圧縮力などの軸力も多少加わりますが、部材を曲げようとする力(曲げモーメント)が発生します。この曲げモーメントの発生により部材の強度を保つことができます。
ra-men1




この変形を防ぐために結合部を強く接合します。
ra-men2




ラーメン構造は自由で大きな開口をとることが出来るため、鉄筋コンクリートなどの建築物に利用されています。
(ものづくりWEB トラス構造とラーメン構造より)

このような考えで構造物を見てみるとおもしろくなりませんか。
クレーン等はトラス構造ですね。また、東京タワーもトラス構造です。
球技場の屋根などもトラス構造でできているものが多いです。

以前クレーンの強度を解析したしたので、以下に示します。
kure-n


赤丸の大きさが加わる力の大きさを表しています。
部材ではなく節点に力が加わっているのが分かります。





『振動解析Ⅱ』

前回に引き続き、振動解析について、書きたいと思います。

前回も書いたように、振動は乗り物や建物、機械等にとっては付きものの話です。
それぞれ物には固有振動数というものがあり、この振動数と揺れの周波数が近いと共振して、
音が大きくなったり、揺れが大きくなって、壊れたりします。
そのため振動を解析する必要があります。

振動を解析するために、「動的応答解析」という方法を使います。
「動的応答解析」とは非定常荷重(時間とともに変化する荷重)が加わる場合の物体の挙動を調べるもので、地震等の揺れに対して用いられる解析です。
この解析により実際の振動変位が分かるので、揺れをイメージしやすくなります。

(解析例)
・鉄骨を組み合わせたタワー(高さ20m、底辺の一辺1m)
・部材は鉄
・底部を全固定
outoukaiseki1














(解析条件)
・先端の節点1個に荷重を設定(緑矢印)
・0.5secかけて1000(N)の荷重をかけ2secまで維持、2.5secで荷重を0にする
(解析結果)

outoukaiseki2



















   t=0.5secのZ方向変位
 outoukaiseki3







  Z方向変位の時間的変化

・0.5secから2secの間は振動は周期が0.346sec、2.89Hzである。
・荷重が作用すると約1.5mmの変形が生じている。

以上のように、解析により振動の周期や変形量が分かるので、ダンパや防振装置を設置する目安が分かります。

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